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文献詳細

雑誌文献

胃と腸7巻2号

1972年02月発行

今月の主題 Ⅲ型早期胃癌

Ⅲ型症例

Ⅲ型早期胃癌の概念と症例

著者: 吉井隆博1 平塚秀雄2

所属機関: 1日本医科大学病理学教室 2平塚胃腸病院

ページ範囲:P.183 - P.187

文献概要

 Ⅰ.Ⅲ型早期胃癌の概念について

 内視鏡学会で最初に出された早期胃癌肉眼分類の規約によると,「ⅡcとⅢ型の区別は陥凹の深さがおよそ(肉眼的にみて)粘膜層に止まっているか否かによる」と約束された.「胃と腸」の冒頭にかかげてある英文の基準によると,「陥凹の深さが粘膜下織を越えているか否か,すなわち,固有筋層に達しているか否かによる」と記載されている.内視鏡学会の規約がその後改訂されたということを聞いていないので,英文にする際の誤訳かもしれない.しかし,組織学的にはⅡc様陥凹の一部が粘膜層を越えていても,潰瘍としての肉眼的特徴を示さないと,単にⅡcと判定されることが多い.明らかにⅢ型と判定されるものは大体深い潰瘍を形成しているものであって,多くの場合その陥凹は粘膜下織を越えている.こういったことから,実際には期せずして「胃と腸」の冒頭にかかげてある基準に従った判定がなされていることが多い.今かりに前者の基準を内視鏡学会基準,後者を「胃と腸」基準と呼ぶことにして,そのいずれがより実際的かについて考察する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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