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文献詳細

雑誌文献

胃と腸7巻3号

1972年03月発行

一頁講座

緊急胃内視鏡検査

著者: 竹本忠良1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器内科

ページ範囲:P.290 - P.290

文献概要

 1971年の日本内視鏡学会総会では「上部消化管出血と内視鏡」というシンポジウムが開かれた.6月にはPrahaでUrgent Endoscopy of Digestive and Abdominal Diseasesという主題の国際シンポジウムが開催され,日本からもかなり参加した.いよいよ緊急消化管内視鏡検査の機運が盛りあがってくるように思う.食道鏡では出血のほかに,異物などの閉塞も緊急検査の対象となるであろうし,止血,異物剔出のような緊急治療も問題となるが,胃の方では緊急内視鏡検査はほとんど吐・下血に焦点がしぼられてくる.

 緊急胃内視鏡検査によって正確な診断をつけることの有益なことを頭では理解していても実際に最初の1例を安全に検査してみるまでは随分と術者は緊張するものである.われわれも最初の2,3例ではよく白衣に吐出する血液をぶっかけられたりしながら,また冷汗も流しながら検査した.どんな検査でも,処置でもそうであるが,緊急時には普段の力を完全に発揮することがたいへんむずかしい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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