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文献詳細

雑誌文献

胃と腸7巻3号

1972年03月発行

今月の主題 早期胃癌臨床診断の実態(診断成績の推移と問題点)

主題

早期胃癌臨床診断の実態

著者: 田中弘道1

所属機関: 1鳥取大学医学部第2内科

ページ範囲:P.319 - P.321

文献概要

 1959年末にⅡc型早期胃癌を初めて術前に粘膜癌疑と診断してから,1970年末までの11年間に教室でX線,および内視鏡検査を行なった早期胃癌症例は114例である.このうち術前に早期胃癌と診断できたものは83例,73%であり,進行癌と誤診したもの8例,7%,良性疾患と誤診したもの23例,20%であった.

 1962年に早期胃癌の肉眼分類(内視鏡学会)が設定されるまでの2年間はBorrmann分類にあてはまらない小規模の病変を粘膜癌,あるいは粘膜癌疑としていた.この2年間に15例の早期胃癌例を経験しているが,術前に正診したものは疑診を含めて,9例(60%)に過ぎない.なお,この2年間は私たちが胃カメラ検査を始めた時期であり,地区病院あるいは先輩から胃カメラ検査を依頼される機会が頻繁であったが,この期間に早期胃癌の誤診による良性疾患の切除例はほぼ同数の13例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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