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文献詳細

雑誌文献

胃と腸7巻3号

1972年03月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌臨床診断の実態(診断成績の推移と問題点) 主題

早期胃癌臨床診断の実態―内視鏡的立場より

著者: 高木国夫1 池田靖洋2 淵上在弥3 藤井彰3 原島三郎3 竹腰隆男3

所属機関: 1癌研究会附属病院外科 2九州大学医学部第1外科 3癌研究会附属病院内科

ページ範囲:P.331 - P.338

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 現今の早期胃癌の臨床診断は,X線,内視鏡ならびに胃生検の3本柱によって,その診断技術はほぼ確立し,発見され診断される病巣も漸次小さい病巣に移っている,なかんずく,胃生検によって,胃内に発見される限局した小病変の組織診断も可能であって,直径5mm前後の病変でも適確なる胃生検により,その質的診断もできるまでに発展した.このように胃疾患,とくに早期胃癌の診断法の急速な発展は,現今世界の消化器学者の注目を集めるに至っている.かかる診断法の発展は,一朝一夕にでき上がったものでなく,その発展のかげには幾多の問題もあって,その解決には10年以上にわたる臨床医ならびに病理学者の努力がなされてきた.早期胃癌の診断上もっとも重要な早期胃癌の肉眼分類が,1962年に発表されて,本年(1972年)は丁度10年目に当っている.この間,X線検査の進歩,および内視鏡の進歩と共に,胃生検法が確立されている.このような診断法の進歩を背景にして,早期胃癌の診断水準の推移とその問題点について,1962年の早期胃癌肉眼分類起草の時期,胃生検法の確立期を軸として各種の内視鏡検査による早期胃癌の診断を検討してみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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