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文献詳細

雑誌文献

胃と腸7巻5号

1972年05月発行

文献概要

症例

Reactive plasmacytoma of the stomachの症例と発生機序

著者: 吉井隆博1 奥山山治2 真木実3 大類十三雄3 小野儀太郎4

所属機関: 1日本医科大学病理学教室 2東京大学医学部老人科 3高崎市真木病院 4長野県更埴市小野内科医院

ページ範囲:P.627 - P.632

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 形質細胞腫は,①多発骨髄腫,②単発性骨髄腫,③形質細胞性白血病,④髄外性形質細胞腫の4型が分けられる.そのうち,①,②,③は悪性だが,④には良性,悪性,およびその中間型(移行型)がある.髄外性形質細胞腫は現在までに約250例の報告がある.その発生部位は上気道,口腔が圧倒的に多く,髄外性骨髄腫の約80%を占める.その他には,消化管,肺,リンパ節,顎下部,甲状腺,眼瞼結膜,皮膚,腟,乳腺,腎,睾丸等に発生する.消化管における発生頻度は,小腸,胃,大腸の順である.胃の髄外性形質細胞腫は,Vasiliu(1939)が第1例目を報告して以来,約33例が報告された.本邦における報告は1例にすぎず,しかもそれは一部細網肉腫の性格を有する悪性型であった.筆者らは今回本邦第2例目の胃の髄外性形質細胞腫を経験したが,それは良性型であって,reactive lymphoreticular hyperplasia(R. L. H.)と近似関係にあると思われる興味ある症例であった.このような良性型は本邦最初の症例であるので報告し,その発生機序と周囲病変との関係について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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