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文献詳細

雑誌文献

胃と腸7巻6号

1972年06月発行

文献概要

一頁講座

いわゆる“シモフリ潰瘍”について

著者: 大井至1 竹本忠良1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器内科

ページ範囲:P.770 - P.770

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 1971年の11月に台湾消化器系学会に招待されて台北に講演に行ったときのことである.台湾の内視鏡研究者達から,大井のいう「“pepper and salt ulcer”というのはどういうものをいうのか」とたびたび質問された.最初はなにをきかれているのかさっぱりわからなかった.“pepper and salt ulcer”と訳した記憶はさっぱりないが“シモフリ潰瘍”のことをきいているのだとわかってあらためて返答に窮した.

 いわゆる“シモフリ潰瘍”という名称の由来は,1969年度の内視鏡学会総会のとき,大井が十二指腸潰瘍の内視鏡診断という展示発表をしたときに使用した名称である.現在“シモフリ潰瘍”の概念をめぐってかなりの混乱があるようだし,だいぶあちこちで使用されていると思う.混乱をおこした責任の一端はわれわれがもつべきであると考えて,現在のわれわれの考え方を述べておかなければならないと思ってペンを握った次第である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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