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文献詳細

雑誌文献

胃と腸7巻6号

1972年06月発行

文献概要

研究

内視鏡による胃内への造影剤散布法(Barium-Spray Method)の考案

著者: 鈴木博昭1 斎藤四郎1 新井尚芳1 長尾房大1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学第2外科教室

ページ範囲:P.809 - P.816

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 胃病変の診断はX線学的には,二重造影法,内視鏡的には,ライトガイドファイバースコープの開発普及により著るしく向上した.また,内視鏡における色素剤散布法の開発により,内視鏡診断上の欠点とされていた粘膜の凹凸の変化が,よく観察できるようになった.これらの検査法は,いずれも多くの利点を有しているが,その反面,その操作上,かなりのコツを要し,また,両検査を同じ日に行なえないために,診断上必要な両所見の対比が,困難なことが少なくないという欠点もある.そこで,われわれはX線と内視鏡検査を同時に行ない,しかも,二重造影法と色素剤散布法の利点を併せもち,患者の肉体的負担が少ない簡便な検査法として,内視鏡による造影剤散布法(Barium-Spray Method)を考案してみた.さきに,内視鏡を用いないX線透視下での導管による造影剤を散布する方法については,1962年放射線学会関東地方会で発表して以来,その簡便性,正確性について基礎的研究を続けていたが,今回,単純な導管挿入に代わるものとして,内視鏡を応用することを考えた.この目的には,生検用および細胞診用の内視鏡であれば,すべて応用できる.この検査法は,内視鏡を利用して直視下で,造影剤を病変部へ選択的に散布し,胃X線検査および内視鏡検査を同時に行なえる点で,従来の検査法に比べて,一段と有利であると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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