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文献詳細

雑誌文献

胃と腸7巻8号

1972年08月発行

文献概要

一頁講座

Henning's sign―消化器病学の用語をめぐって

著者: 竹本忠良1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器内科

ページ範囲:P.1054 - P.1054

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 Hennlng's signは消化器病学とくに内視鏡を勉強している人で知らないものはないくらい有名である.

 かなりながい間,Henningがいつこのsignについて発表したのか気になっていたが,雑誌がみつからなかった.そこで,今春来日し講演してくれたErlangen大学のDr. Classenに調べてもらった.図か彼の返事である.彼は非常にていねいにHenning's signの記載のある書籍のコピーまで送ってくれたが,どれもわれわれが座右においている本であった.Classenによると,胃潰瘍あるいは瘢痕にみられる胃角のgothic arch deformationを“Henning sign”と命名したのはRudolf Schindlerで,彼のGastroscopy1)にちゃんとHenning was the first to describe this sign, which I have called, therefore, the “Henning sign”と書いてある.たいへんうかつであった.それではいつHenningが記載したかという問題であるが,1935年のN. Henning著Lehrbuch der Gastroskopie, Leipzigが最初で,彼は1949版のLehrbuch der Verdauungskrankheiten, Georg Thieme(p.236)にはspitzbogenartige Ausziehung des Anguls(Spitzbogenangulus)は胃潰瘍あるいは瘢痕による内視鏡間接所見と考えた.Brühl2)もHenning'sches Zeichenは胃角附近に潰瘍あるいは瘢痕が存在することを示すものであると述べている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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