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文献詳細

雑誌文献

胃と腸7巻8号

1972年08月発行

文献概要

今月の主題 症例・研究特集 研究

反転による胃前壁撮影法

著者: 服部了司1 小沢昭司2 北沢幸夫3

所属機関: 1東京都台東区服部医院 2東京都足立区小沢胃腸科 3社会保険第一検査センター

ページ範囲:P.1063 - P.1074

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 近年X線および内視鏡検査の進歩改良により,わが国の胃疾患に関する形態学的な診断技術は,飛躍的な進歩をとげた.特に,その病理組織学的追跡と相俟って,胃内の微細変化は,詳細にわたって追求され,従来の概念に対して大きな変革が進行しつつある.

 しかしながら,胃X線診断学においては,前壁病変の描出は,特に充盈像で辺縁に変化の乏しい微少病変では,しばしば技術的に困難で,見落し率も決して低いものではない.たまたま他の目的で内視鏡検査を行い,胃前壁の微少病変の存在に驚くことは,誰もが経験することであろう.また近年広く行なわれて来た集団検診や,X線テレビによる撮影では,圧迫にも自から限界がある.秋山らの提唱する低濃度バリウムによる高圧撮影方式は,装置の関係から直ちに多くの実地医家の行い難い所である.熊倉,早川らの発表以来,現在最も普及されている前壁撮影法は,腹臥位二重造影法であるが,これとても爆状胃や肥満者の横位の胃では,必ずしも常に好結果を期し難い.これらの点に鑑み,われわれの行っている体位反転による前壁撮影法を,実際症例と共に紹介して,一般の参考に供したいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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