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文献詳細

雑誌文献

胃と腸7巻9号

1972年09月発行

文献概要

今月の主題 胃集検で発見された胃潰瘍 主題

胃集検で発見された胃潰瘍について

著者: 村上忠重1

所属機関: 1順天堂大学消化器外科

ページ範囲:P.1149 - P.1149

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 胃集検は,癌をより早期に発見したいという期待をもって始められた.そして,その目的はある程度達成されつつある.ところが癌のピックアップに平行して,ポリープと潰瘍がふんだんに発見されるようになった.集検の隠れた功績である.

 日本人には胃潰瘍が多い.欧米諸国で潰瘍といえば十二指腸潰瘍であるが,日本では胃潰瘍である.そして御承知のように胃癌もとくに多い.この両者の間に因果関係がありはしないかと考えるのは当然のことであろう.それは即ち潰瘍癌という考えとなって長い間私どもの頭を支配した.しかし,最近は潰瘍を長い間観察していてもなかなか潰瘍癌は発生して来ないということで,この関係に疑問がもたれるようになった.もう一つは癌が先行した潰瘍と癌の共存例でも,悪性サイクルの中に巻き込まれると,組織学的にはどちらが先か区別がつき難くなるということも分って,学問的な納得もある程度つくようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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