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症例
いわゆるびらん性胃炎のX線・内視鏡像に酷似した若年者胃転移癌の1例―横行結腸原発症例
著者: 磨伊正義1 森田弘之1 渡辺騏七郎2 武川昭男2 大和一夫3
所属機関: 1国立金沢病院外科 2国立金沢病院病理 3金沢市
ページ範囲:P.1209 - P.1215
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患 者:岡○美○子 22歳 女
主 訴:心窩部鈍痛.
家族歴;特記すべきことなし.
既往歴:昭和44年8月(当時20歳),当科で横行結腸癌の診断にて結腸右半切除を施行,6×4.5cm大のBorrmannⅡ型の潰瘍形成癌で,組織学的には全層を侵す粘液細胞結節癌(mucocellulonodular carcinoma)を示した(Fig. 8).腫瘍細胞のリンパ管侵入像が散見され,また稀ながら静脈内侵入像も認めた(Fig. 9).領域リンパ節25個のうち,5個のものに同様組織像からなる転移を認めた.Dukes Cの癌であり,断端部への癌細胞の波及は認めなかった.術後化学療法を施行し,46病日に退院し,以後経過良好であった.なお,手術後の胃X線検査では全く異常を認められなかった.
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