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文献詳細

雑誌文献

胃と腸7巻9号

1972年09月発行

一頁講座

Busi's sphincter(Ceco-Colic sphincter)―消化器病学の用語をめぐって

著者: 竹本忠良1 長廻紘1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器内科

ページ範囲:P.1232 - P.1232

文献概要

 正常の結腸においても,ある特定部位で強い収縮をおこし,X線上狭窄所見を示すことがある.知らないと器質的な疾患と迷ってしまってあとでとんだ恥をかかないともかぎらない.

 このような収縮部位は結腸の一定の部位にみられるので,最初に記載した人の名前を冠して……のsphincterといわれることが多い.このような収縮をおこしやすい部位(いわゆるsphincter)は3種類に分類できる1)

 ①縦走筋と輪状筋の限局性の肥厚があって真の意昧でsphincterといえるもの,結腸ではHirsch(上行結腸),Moultier(S状結腸),Busi(上行結腸盲腸境界部)のsphincterがこれに相当する.

 ②神経反射にともなう収縮にすぎないもの.Rossi(直腸S状結腸境界部),Balli(S状結腸下行結腸境界部),Payr(脾彎曲部)のsphincterがこれにあたる.

 ③上下の腸間膜神経叢の支配が重なる部位で,神経刺激のずれによるもの,有名なCannon・Böhm点(横行結腸の近位側の1/3あるいは肛側の2/3)がこれであり,Roith sphincter,Casey and Barclay sphincterとも呼ばれるが,DiDioらの本にはpylorus of the transverse colonとも書いてある.このCannon-Boehm sphincterがx線的に見えるためには両神経叢の神経刺激にずれがあることが条件である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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