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文献詳細

雑誌文献

胃と腸7巻9号

1972年09月発行

文献概要

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編集後記 フリーアクセス

著者: 市川平三郎

所属機関:

ページ範囲:P.1244 - P.1244

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 国際学会とか,海外において講演した後では,「胃集検というものは,早期胃癌1人発見するのにどのくらいの費用がかかるのか」という質問をしばしば受けるものである.まじめな日本人は,1000人に平均2人の胃癌が見つかるとして,そのうち大凡1人が早期胃癌だから,100O人を集検でスクリーニングする費用と,要精検者平均20O人に要した費用との合計が1人の早期胃癌発見のために要する費用であると答える人が多いようである.すると,米国においてすら,「それは高すぎる,日本は金持だ」などといって,彼等が胃集検をやらないのを弁護する理由に使っているようである.

 早期胃癌を見つけるのが主眼であるとはいっても,集検の費用の面で大きなメリットをあげているのが「集検で発見された胃潰瘍」なのである,「集検で発見された胃潰瘍」に早期に適切な治療を行ない,経過を追求し監視して行くことが,患者個人のみならず,その属する職場ないしグループに,間接的費用も含めると,どれ程のメリットを与えているか計り知れない面があろう.こういう説明をすると納得して貰えるのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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