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文献詳細

雑誌文献

胃と腸8巻1号

1973年01月発行

今月の主題 急性胃病変の臨床

主題

急性胃病変の臨床―出血性びらん

著者: 大沼肇1 唐沢洋一1 鈴木博通1 安井昭2 村上忠重2

所属機関: 1旭川市唐沢病院 2順天堂大学消化器外科

ページ範囲:P.25 - P.30

文献概要

 急性胃疾患の中でもとくに超急性病変であるHämorrhagische Erosion(出血性びらん)は,ファイバースコープや胃カメラの最近の著しい進歩によって,しばしば捉えられるようになってきた.この病変は最初は病理解剖の世界でしか知られていなかった1)

 すなわち,生検材料でこの現象を最初に捉えたのはドイツの病理学者のBüchner2)であるといわれている.彼は胃底腺を有するMeckel憩室で同質の壊死組織を見出し,粘膜の壊死のために働いたカは胃底腺より分泌される塩酸及びPepsin,とくに前者であると考えた.そして,猫に塩酸を呑ませてこの現象が胃粘膜に起ることを証明した.これが彼の説いた潰瘍消化説である.しかし,出血性びらんを人の切除胃の中で証明したのは彼の方が早いか,あるいはわれわれの研究グループ3)~8)の方が早かったかは定かではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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