文献詳細
今月の主題 急性胃病変の臨床
主題
急性胃病変の臨床―出血性びらん
著者: 大沼肇1 唐沢洋一1 鈴木博通1 安井昭2 村上忠重2
所属機関: 1旭川市唐沢病院 2順天堂大学消化器外科
ページ範囲:P.25 - P.30
文献概要
すなわち,生検材料でこの現象を最初に捉えたのはドイツの病理学者のBüchner2)であるといわれている.彼は胃底腺を有するMeckel憩室で同質の壊死組織を見出し,粘膜の壊死のために働いたカは胃底腺より分泌される塩酸及びPepsin,とくに前者であると考えた.そして,猫に塩酸を呑ませてこの現象が胃粘膜に起ることを証明した.これが彼の説いた潰瘍消化説である.しかし,出血性びらんを人の切除胃の中で証明したのは彼の方が早いか,あるいはわれわれの研究グループ3)~8)の方が早かったかは定かではない.
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