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文献詳細

雑誌文献

胃と腸8巻1号

1973年01月発行

症例

急性胃ヘテロケイルス症―Terranova decipiensによる

著者: 長野一雄1 高木皇輝1 柳川一成2 大石圭一3 影井昇4

所属機関: 1函館市函館共愛会綜合病院内科 2函館市柳川胃腸科 3北海道大学水産学部食品化学研究室 4国立公衆衛生院寄生虫室

ページ範囲:P.81 - P.85

文献概要

 並木ら1)の提唱による所謂急性胃アニサキス症は,最近では本道を中心として多数発見され,充分な観察を以てすれば発見困難な疾患ではなくなって来ている.われわれも偶然31歳家婦の胃にアニサキス様幼虫を発見摘出したが,この虫体が従来のアニサキスと異っているところからTerranova疑として47年2月27日第8回北海道胃疾患ゼミナールにおいて紹介した.その後の同定で本虫体はTerranova decipiensであることが判り,また本邦および欧米の文献を渉猟してもTerranovaの入体寄生の報告は皆無であることを知った.47年4月6日第41回日本寄生虫学会に共同発表者の影井2)が報告したが,唐沢3)(旭川)グループによっても同じく本症の報告があり,急性胃アニサキス症と同様にいわゆる急性胃テラノーバ症もさほど稀有なものでないことが確認されたわけである.以下,本症の概要を報告する

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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