文献詳細
症例
文献概要
急性胃病変,殊に出血性胃炎をおこす代表的なものとして,アスピリンと共に挙げられるのがアルコール性飲料である.欧米諸国でアルコール性飲料といえば,ウィスキー等の高張液が好まれ,アルコール摂取後の急性胃炎,急性潰瘍の頻度が高く,それらにっいての報告も多い.日本では,酒,ビール等の比較的低濃度のものが従来多用され,大出血をおこすような症例に遭遇することは稀であった.しかし,最近生活が益々洋式化するにっれ,外国製のウィスキー等の輸入が盛んとなり,一方,国産でも高級洋酒の販路はますます拡大されっっあり,日本人とても高濃度アルコール性飲料を大量摂取する機会が多くなってきた.さて,急性消化管出血に対する内視鏡検査は,米国ではEmergent endoscopyとして早くから積極的に実施されている.この面では,私共の経験は彼らに比して乏しいと思う.近年,内視鏡器械の改良により安全性が強調され,出血巣の早期診断の必要性から多くの施設でEmergent endoscopyが応用されるようになった.
私共に与えられたテーマは,アルコールによる急性病変であり,各Stageの代表例をあげてみよう.
私共に与えられたテーマは,アルコールによる急性病変であり,各Stageの代表例をあげてみよう.
掲載誌情報