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文献詳細

雑誌文献

胃と腸8巻10号

1973年10月発行

胃と腸ノート

放射線直腸炎(Ⅱ)

著者: 小林世美1

所属機関: 1愛知県がんセンター第1内科

ページ範囲:P.1312 - P.1312

文献概要

 今回は,放射線直腸炎の治療につき,私の経験をもとに述べてみる.放射線直腸炎をみた場合,まず試みるのは内科的治療である.急性期で出血がひどいときは,安静臥床,低残渣軟食,鎮痙・鎮静剤の投与,ステロイド浣腸等を行なう.絶食して2~3日点滴を行なうこともある.点滴中には,止血剤,ビタミン等を十分に加える.鉄剤の投与も重要だ.

 内服薬として,大腸の粘膜下組織に親和性を有するSalicyl azosulfapyridine(市販名はサラゾピリン)を用い,便量を少なくするため,野菜・果物等の線維成分の多いものをできるだけ避け,ビタミン不足になるので綜合ビタミンを加える.その他,消化剤,サラゾピリンの胃障害に対して制酸剤,胃粘膜庇護剤,腸管運動抑制のため鎮静剤,副交感神経抑制剤など潰瘍性大腸炎に準ずる薬物療法を行なう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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