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今月の主題 表層拡大型胃癌 主題
表層拡大型胃癌の内視鏡診断―とくに表層拡大型早期胃癌について
著者: 沢田好明1 池口祥一1 松沢良和1 信田重光1 村上忠重2
所属機関: 1順天堂大学消化器外科 2東京医科歯科大学第1外科
ページ範囲:P.1327 - P.1333
文献購入ページに移動われわれの教室における昭和42年5月から47年3月までの5カ年間の早期胃癌切除例数は195例であるが,これらのうち,病理組織学的検索により確認した癌病巣の拡がりが5.0×5.0cmをこえる,いわゆるSSCの症例は39例で,早期胃癌の20.0%であった.すなわち早期胃癌のなかで5例に1例はSSCがあるということであり,この確率は決して低いものではない.しかるに従来は日常の内視鏡検査に際して,このようなことはあまり念頭におかれていなかったといってよいであろう.もちろん外科の立場としては,とくに病巣の噴門側境界については常に厳しく観察を行なってきたつもりであるが,これをSSCとして把握したことは少なく,またその全貌を的確にとらえ得たSSC症例も多くはない.
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