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文献詳細

雑誌文献

胃と腸8巻10号

1973年10月発行

文献概要

今月の主題 表層拡大型胃癌 主題

表層拡大発育型胃癌の外科・病理学的問題点について

著者: 副島一彦1 井口潔1 脇田政康1 児玉好史1 古沢元之助2

所属機関: 1九州大学医学部第2外科 2国立病院九州がんセンター外科

ページ範囲:P.1335 - P.1340

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 胃のsuperficial spreading type of carcinomaは,A. P. Stout1)の命名による胃癌の一型とされている.過去において教室では,superficial spreading typeの再発症例の検討から,この型の胃癌は発育が緩徐であること,その生物学的特徴が通常われわれが経験する胃癌とはかなり異った“特殊な一型”と想定される点を指摘した2)3)

 また,進行胃癌の粘膜面での癌浸潤範囲と胃壁深層でのそれを比較してみると,きわめて表層拡大傾向が強いとみなされる症例がみられ,これらの症例が示す転移の傾向,予後が,表在癌でみられたsuperficial spreading typeのそれと類似していることなどを指摘し4)~6),superficial spreading type of carcinomaの生物学的特性を解明する上で,これら表層拡大傾向を示す進行胃癌を含めて検討することが有意義であろうと推定した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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