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文献詳細

雑誌文献

胃と腸8巻12号

1973年12月発行

文献概要

今月の主題 十二指腸疾患の最新の診断 十二指腸疾患症例

十二指腸球部の線状潰瘍,とくに環状潰瘍について

著者: 竹本忠良1 丸山正隆1 山田明義2

所属機関: 1東京女子医科大学消化器内科 2東京女子医科大学消化器外科

ページ範囲:P.1638 - P.1642

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 線状潰瘍の定義は胃においては比較的明らかで,一般には3cm以上の長さの潰瘍をいう.十二指腸においてはまだはっきりした基準はなく,いわゆる線状潰瘍の存在を認識しながらも,はっきりした定義となると人により多少異なっている.

 十二指腸の線状潰瘍が胃の場合と同様な意義をもつものかどうかまだ多少の疑問がないわけではないが,多くの十二指腸潰瘍を内視鏡的に観察していると,成因的にも経過の上でも円形・不整形などの潰瘍を含めた「線状以外の潰瘍」とはやはり多少異なるという印象をいだく.この中でもとくに長く,ほぼ完全に十二指腸全周を取り巻いており,輪状の変形を内視鏡的に呈するような線状潰瘍をとくに環状潰瘍(circular line ulcer)と称してはどうかと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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