文献詳細
今月の主題 十二指腸疾患の最新の診断
十二指腸疾患症例
文献概要
十二指腸肉腫の本邦における報告は,1939年藤岡1)が最初である.われわれは,本邦における78例を集計し得たが,そのうち1939~1963年の25年間の報告は27例で,1964年以降約9年間の報告は実に51例と飛躍的にふえており,とくに1971年以降は23例となっている.しかも術前に十二指腸悪性腫瘍68)72)74),十二指腸肉腫47)50)85)92),さらには十二指腸平滑筋腫81)87)89)と質的診断がつけられるようになった.これには,本疾患に対する病態への理解,なかんずく,診断技術の向上が最も大きい役割を果たしている.われわれも,術前に十二指腸肉腫の診断をなし得た症例を経験したので報告する.
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