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文献詳細

雑誌文献

胃と腸8巻12号

1973年12月発行

文献概要

今月の主題 十二指腸疾患の最新の診断 十二指腸疾患症例

十二指腸のブルンネル腺腺腫の診断―自験例2例と文献的考察から

著者: 郡大裕1 宮岡孝幸1 中島正継1 加藤三郎1 川井啓市1 親康庸2 松井喜彦2

所属機関: 1京都府立医科大学第3内科 2健康保険鞍馬口病院胃腸科

ページ範囲:P.1659 - P.1665

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 十二指腸に原発する良性腫瘍はきわめて稀とされており,中村ら1)によると,欧米では十二指腸の良性腫瘍280例中腺腫が113例(40%)と最も多く,Brunner腺腫が45例(16%)とこれに次いでおり,本邦では逆にBrunner腺腫が56例中25例(45%)と最も多く,腺腫は10例(18%)となっている.以前にわれわれが検討した本邦例の集計でも2),良性十二指腸腫瘍38例中Brunner腺腫が16例(42%)と最も多かった.しかし,いずれもX線診断ないしは剖検時の観察によって発見された症例ばかりであり,最近十二指腸への内視鏡検査法が確立され,広く応用されるようになってみると,微細な病変まで含めると,十二指腸の隆起性病変は従来報告されているほど頻度の低いものではないことがわかってきた.

 今回,われわれは最近経験したBrunner腺腫2例について報告し,併せて若干の文献的考察を試みた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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