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文献詳細

雑誌文献

胃と腸8巻2号

1973年02月発行

文献概要

今月の主題 消化管の悪性リンパ腫 主題

消化管の悪性リンパ腫―41症例と文献的考察

著者: 中村恭一1 菅野晴夫1 熊倉賢二2 高木国夫3

所属機関: 1癌研究会癌研究所病理部 2癌研付属病院内科 3癌研付属病院外科

ページ範囲:P.177 - P.186

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 悪性リンパ腫Malignant lymphomaとは,リンパ細網細胞組織由来の悪性腫瘍の総称で1).一般的にリンパ肉腫Lymphosarcoma,細網細胞肉腫Reticulum cell sarcoma,ポジキン氏病Hodgkin's diseaseを包括している.したがって,このような腫瘍の発生は当然のことながらリンパ腺に最も頻度が高いのであるが,リンパ腺以外のリンパ細網組織lymphoreticular tissueを部分的に含む臓器にも発生する.Hellwig(1947)2)は,全悪性リンパ腫130例のうち2/3がリンパ腺起源で,他1/3のうち扁桃・鼻咽腔が26例,消化管19例で,残りはそのほかの臓器に分散していて発生頻度には優劣が認められないと述べている.また,Freemanら(1972)3)によるリンパ腺以外の悪性リンパ腫の発生部位の比較では,消化管原発なかでも胃原発の頻度が最も高く,次いで扁桃・鼻咽腔の順となっている.このように,悪性リンパ腫のリンパ腺あるいはリンパ装置が主たる臓器(Waldeyer's ring)以外の好発部位は消化管であるといえる.

 一方,消化管の悪性腫瘍ということで条件づけられた集合の組織型別頻度は,癌腫の頻度が圧倒的に高く,次いで悪性リンパ腫の順であるが,たかだか1~4%占めるにすぎない4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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