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文献詳細

雑誌文献

胃と腸8巻3号

1973年03月発行

今月の主題 内視鏡的膵・胆管造影

主題

内視鏡的胆管造影―良性胆道疾患の診断

著者: 羽白清1 三宅建夫1 山本泰猛1 有吉浄治1 洲崎剛1 藤堂彰男1 大石雅巳1 柳原晧二1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院消化器内科

ページ範囲:P.323 - P.333

文献概要

 十二指腸ファイバースコープによる膵管胆管造影法は,大井,高木を先駆としてわが国で実用化されたが,既に膵胆道病変の診断法としての地位は確立されたといってよく,最近も国の内外からの報告が多い1)~8)

 実地臨床家にとって本法の魅力は,非観血的検査法であること,1回の検査で得られる情報量の多いことにあるが,十二指腸ファイバースコープの診断能を最大限に活用するには,検査適応を明確にする必要がある.当院では,①閉塞性黄疸,②間接胆道撮影陰性例,③膵腫瘍疑の上腹部腫瘤,④胆摘後遺症,が主な検査対象であり,手術適応の有無,あるいは手術術式選択の判断を目的に治療に直結する診断法として行なってきた.従って,検査施行220例中の122例が膵胆道症例であり,確定診断別では,胆道癌15例,膵癌9例,乳頭部癌2例,原発性肝癌2例,後腹膜肉腫4例など悪性腫瘍32例(開腹28例)および,胆囊結石19例,総胆管結石6例,総胆管胆囊結石10例,総胆管肝内結石4例,総胆管胆囊肝内結石6例,肝内結石6例など胆石症51例(開腹44例)を主とする良性病変90例である.逆行性造影は96例(膵胆管共63例,膵管のみ21例,胆管のみ12例)に成功した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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