文献詳細
今月の主題 症例・研究特集
症例
文献概要
早期胃癌の診断は,その対象が隆起性病変においても陥凹病変でも1),大きさが2cm以下さらに1cm以下のものへと急速に進歩しつつある.そこでこれらの隆起,陥凹の程度も次第に低浅なものになり,早期胃癌分類でいう“周辺正常粘膜と同じ高さを示す”Ⅱb病変の粘膜の微細構造の検討がX線学的にも内視鏡学的にもようやく注目されるようになって来た.われわれは胃X線,内視鏡検査で幽門前庭部前壁のポリープと合併した胃体部高位後壁の多発性潰瘍瘢痕と診断され,同部の生検組織診で腺癌であった症例で,切除標本にて胃体上部から胃角部にかけ,予想外に広い辺縁不規則な発赤,褪色領域を示したHb病変を経験したので報告する.
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