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文献詳細

雑誌文献

胃と腸8巻4号

1973年04月発行

今月の主題 症例・研究特集

症例

十二指腸にみられた迷入胃粘膜組織よりなるポリープの1例

著者: 市川幹郎1 矢野敦雄1 森口敏勝1 中野陽典1 谷口春生2 森井健2 長谷川義尚2 藤見克彦3

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所附属病院 2大阪府立成人病センター 3大阪大学医学部附属病院

ページ範囲:P.485 - P.488

文献概要

 十二指腸のいわゆる良性腫瘍は非常に稀な疾患である.Raiford(1932)1)によれば,手術45,000例,剖検11,500例,計56,500例のうち,小腸に腫瘍を発見したものは88例(0.16%),良性のものは50例にすぎない.このうち十二指腸に認めたのは13例(全体の0.02%)である.またHoffmann(1945)2)も同様に68,000例中14例の十二指腸良性腫瘍を報じている.中村(1969)3)らの綜説によれば,最近までの報告例は欧米422例本邦87例である.十二指腸良性腫瘍の病理組織型は多彩であるが,迷入胃組織より発生したと考えられる症例は,本邦ではまだその報告はない.

 今回われわれは,かなり大きな十二指腸有茎性ポリープで,しかも病理組織学的に迷入胃粘膜組織から発生したと考えられるきわめて珍らしい一例を経験したので,ここにその症例を報告し,若干の考察を加えたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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