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文献詳細

雑誌文献

胃と腸8巻5号

1973年05月発行

文献概要

今月の主題 胃癌の経過 興味ある経過を示した胃癌例

胃ポリープとして4年間経過観察を行なっていた小隆起性進行胃癌

著者: 古沢元之助1 古賀充1 副島一彦2 岡本竜治2 渡辺教文3

所属機関: 1国立病院九州がんセンター 2九州大学医学部第2外科 3九州大学医学部放射線科

ページ範囲:P.597 - P.603

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 術前の胃癌の経過が注目されるようになり,retrospectiveにみた胃癌の長期観察例が数多く報告されるようになったが,中でも表面陥凹型早期胃癌のそれが多く,隆起性胃癌の長期観察例は少ないようである.

 われわれは,当初,胃X線検査で胃ポリープと診断し,その後4年間,胃X線検査で定期的に経過観察を行なっていた胃の隆起性病変が,ある時期に著しい形態の変化を示したので,手術したところ,隆起性の腺癌で,すでに漿膜下層まで浸潤していた例を経験した.本例では,残念ながら胃内視鏡検査と生検による経過観察が行なわれていないが,X線写真上興味ある経過を示しており,胃癌の発育の一面を考える上で興味ある症例と思われたので,その経過の概要を報告し,諸家の御批判をあおぎたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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