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文献詳細

雑誌文献

胃と腸8巻5号

1973年05月発行

文献概要

胃と腸ノート

上部消化管出血と心筋硬塞

著者: 竹本忠良1 山下克子1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器内科

ページ範囲:P.648 - P.648

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 つい最近のことである.胃内視鏡検査を目的として来院した患者が待合室で待機中に心筋硬塞発作をおこし死亡した.もし発作がすこしおくれて,内視鏡検査中におこったのであれば,その主因は内視鏡検査のせいにされてしまったかもしれない,考えてみればわれわれもかなり危ない橋を渡っているものだ.

 上部消化器出血時に続発する心筋硬塞は痛みがないのが普通であって,なかなか診断が不確実になりやすい合併症といわれている.出血患者で胸痛もなしに血圧が下降し突然頻脈が現われた場合には,どうしてもそれらの変化を出血自体の結果とみなしがちである(Palmer1)).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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