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文献詳細

雑誌文献

胃と腸8巻5号

1973年05月発行

文献概要

研究

N-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロゾグアニジンによる犬の実験胃腫瘍の研究―犬の胃隆起性病変の発育過程

著者: 藤田昌英1 田口鉄男1 高見元敞1 薄金真雄1 高橋明1 芝茂1

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所病院外科

ページ範囲:P.661 - P.669

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 胃癌が発生後,どのような発育進展経過をたどるかは重要な研究課題である.しかし,人では胃癌の診断確定後さらに経過を追うことは原則としてありえず,胃癌の発育進展過程の一般的な解析には限界がある.もし,人と同様に胃X線,胃カメラ検査の可能な犬に容易に胃癌を作りうれば,人では困難な同一個体についての胃癌の経過追跡が可能となる.

 われわれは杉村ら1)のN-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロゾグアニジン(NG)によるラット胃癌作成法に準じ,独自に1968年2月から犬にNGを投与し,主に胃体上部前壁を中心とした,ある範囲に限局して隆起性病変が多発することをすでに発表した2)3).本論文では,長期間X線的ならびに内視鏡的に観察した犬の胃隆起性病変の発育経過と,その病理組織学的特徴について述べ,若干の考察を加える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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