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文献詳細

雑誌文献

胃と腸8巻6号

1973年06月発行

文献概要

今月の主題 大腸疾患 最新の話題 主題

大腸のX線診断―ポリープ,早期癌,小さな進行癌を中心に

著者: 丸山雅一1 杉山憲義1 竹腰隆男1 舟田彰1 氏家紘一1 寺崎茂宏1 佐々木喬敏1 熊倉賢二1 高木国夫2 山田粛2 中島聰總2 梶川憲治2 中村恭一3 馬場保晶3 西俣嘉人3 遠藤次彦3

所属機関: 1癌研究会付属病院内科 2癌研究会付属病院外科 3癌研究会付属病院病理

ページ範囲:P.717 - P.732

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 大腸癌のX線診断に関する種々の問題は,早期癌の診断を含めて,現在まで少なからずとりあげられてきた.しかし,常に散発的であったために,確実にいいきれることと,そうでないことの区別が曖昧にされてきたような気がする.また大腸癌の頻度は直腸,S状結腸に偏しているために,すぐにのぞける直腸鏡が有利と考えられ,X線診断が内視鏡診断に一歩遅れて現在に至ったとも考えられる.

 そして,このような内視鏡とX線の関係は,さらには大腸癌の肉眼病理とX線診断の間にも疎遠な状態を作り出してしまった,そのために,これまで,X線診断が信用できるのは,全周性の非常に大きな進行癌だけで,小さな進行癌になるとその性状までは診断しきれなかったし,また,その存在すらつかめないものが多かった.したがって,良性病変,早期癌との鑑別診断も十分ではなかった.そして,X線診断が熟しきれないうちに,内視鏡の分野では,盲腸部まで観察するColonofiberscopyの時代を迎えてしまった.これでは,X線診断の立場がますます頼りにならなくなってしまいそうである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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