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文献詳細

雑誌文献

胃と腸8巻6号

1973年06月発行

文献概要

今月の主題 大腸疾患 最新の話題 主題

大腸ポリポージス

著者: 田島強1 田畑育男1 戸田聖一1 棟方昭博1 今充2 阿保優2

所属機関: 1弘前大学医学部松永内科 2弘前大学医学部大内外科

ページ範囲:P.751 - P.761

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 Morson1)は,大腸ポリープを表1のごとく分類しているが,大腸ポリープの分類は諸家2)3)4)5)により多様である.特に大腸ポリポージスという言葉の定義については混乱が多く,単に複数のポリープをポリポージスと呼称している者も少なくない.Welch4)は比較的限局した範囲に発生した複数のポリープをmultiple polyposisと呼んでおり,Dorand's illustrated“Medical dictionary”のpolyposisの項には,“The development of multiple polyps on a part.”と説明されているにすぎない.槇6)は,ポリポージスとは単に数個のポリープが発生した場合を意味するものでなく,より多数のポリープが広範囲に発生したものを意味すべきであると述べている,すなわち,大腸ポリープを(a)単発性ポリープ(polyp),(b)比較的限局した範囲に2個以上のものが存在する場合を多発性ポリープ(multiple polyp),(c)結腸に広範囲に多発しているものをびまん性ポリポージス(diffuse polyposis)と分類しており,卜部7)もこれに同意している.著者らもこの分類が臨床上妥当であると考えている.しかし,Peutz-Jeghers症候群のポリープは,必ずしもdiffuse polyposisではないが,multiple polypsとも異なるので,大腸ポリポージスに含めた.

 大腸ポリポージスは,稀な疾患であるといわれてきたが,Colonofiberscopeの開発された昭和43年5月から47年5月までの4年間に,松永内科教室では家族性大腸ポリポージス3家系17症例,Peutz-Jeghers症候群3家系6症例を経験しており,決してごく稀な疾患ではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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