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文献詳細

雑誌文献

胃と腸8巻6号

1973年06月発行

文献概要

症例

下行結腸・S字状結腸移行部に発生した単純性非特異性潰瘍(線状)の1例

著者: 志多武彦1 三好晃2 馬渡康郎2 前田義章2 田坂健二2 森松稔3

所属機関: 1千早病院内科 2千早病院外科 3久留米人学医学部第2病理

ページ範囲:P.813 - P.818

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 近年,大腸の単純性非特異性潰瘍は注目を集めてきており,本邦においても報告例が散見されるようになった.最近,著者らは下行結腸,S字状結腸移行部に発生した単純性非特異性潰瘍の1例を経験したので若干の考察を加え報告する.

症例

 患 者:山○ツ○,55歳,女子

 主 訴:便秘,左下腹部痛

 家族歴:特記すべきことなし

 既往歴:約5年前より高血圧症にて薬物治療を受けている.

 現病歴:27歳にて第2子を出産した後より1カ月に3ないし4回,軽度の腹痛を伴なう軟便ないし水様下痢をきたすようになった.しかしこれらの症状は止痢剤の服用にて短時日で軽快していた.この状態が2年前(53歳時)まで持続したが,この頃より次第に便秘に傾きはじめ,下痢は1カ月に1回位に減少した.数カ月前からは便秘はさらに頑固となり強い左下腹部痛を伴なってきたため,昭和46年7月10日当院に入院した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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