文献詳細
文献概要
胃と腸ノート
Laurénの胃癌組織分類
著者: 小林世美1
所属機関: 1愛知県がんセンター第1内科
ページ範囲:P.936 - P.936
文献購入ページに移動 物を分類するに,詳しくする方法と,反対にきわめて簡単にするゆき方がある,胃癌の組織分類についてもそうである.種々の分類法が試みられてきたが,私ども臨床家が,実際に臨床像と関連させて理解のできる.しかも簡単な分類があると幸いである.従来の比較的詳しい分類法は,臨床的特徴や予後との相関関係が一定でない.また分類は,作成した人や,一部の人々にのみ使われ,World-wideの普遍性がない場合,データの人種間比較がむずかしくなる.遠く離れた他の国での病理学者による判定にもたいしたVariationをみず,病像との関連においても有用である分類がのぞまれる.
1951年,FinlandのTurku大学のJärviとLaurénは,胃癌がしばしば腸上皮の特徴を有することを認め,少なくとも50%では,腸上皮化生から起こるだろうと主張した.その後文献上で“Intestinal-type gastric carcinoma”という語が使われるようになった.Laurénは1964年の論文で,腸上皮型と鑑別上問題になる他の型の存在をあげ,1965年の論文で“Diffuse gastric carcinoma”と呼んで,ここにLaurénの二大組織型“Intestinal type”と“Diffuse type”が誕生した.彼のシリーズでは,Intestinal typeは53%,Diffuse typeが33%,残りの14%はどちらにも属さないとし,otherとして一括した.
1951年,FinlandのTurku大学のJärviとLaurénは,胃癌がしばしば腸上皮の特徴を有することを認め,少なくとも50%では,腸上皮化生から起こるだろうと主張した.その後文献上で“Intestinal-type gastric carcinoma”という語が使われるようになった.Laurénは1964年の論文で,腸上皮型と鑑別上問題になる他の型の存在をあげ,1965年の論文で“Diffuse gastric carcinoma”と呼んで,ここにLaurénの二大組織型“Intestinal type”と“Diffuse type”が誕生した.彼のシリーズでは,Intestinal typeは53%,Diffuse typeが33%,残りの14%はどちらにも属さないとし,otherとして一括した.
掲載誌情報