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文献詳細

雑誌文献

胃と腸8巻9号

1973年09月発行

今月の主題 胃潰瘍の良・悪性の鑑別診断

主題

病理の立場からみた胃潰瘍の質的診断の限界

著者: 長与健夫1 横山功2

所属機関: 1愛知県がんセンター,研究所病理 2横山胃腸科病院

ページ範囲:P.1173 - P.1182

文献概要

 病理の立場から,胃潰瘍の質的診断とその限界について書くように依頼された.大変難しい課題で,できれば避けて通りたいという気持もないではなかったが,胃疾患の診断や治療にとって依然として重要な課題の一つであり,診断の限界を知り,その限界をふまえてどのように対処していったらよいか,また今後の問題点はどこにあるかなどを得られている成績や知見をもとにご紹介し,あわせて筆者らの考えを述べさせていただく良い機会と思い直すようになった.

 いうまでもなくこの問題の基本には,数年前に病理学者や外科医の間で種々論議され,未だに意見の一致をみるにいたっていない潰瘍癌の組織学的判定の基準の問題がある1)~11).この基準は,潰瘍と癌との組織レベルにおける位置的関係を重要視したものであるが,両者の発生後の古さの比較という時間的要素がその背景にあることもご存知の通りである.しかし時代の推移とともに診断に多くの進歩改良が加えられ,切除胃の内容も次第に変ってきており,このような観点から古くて新しいこの問題をこの辺りで考察してみるのも,また大事なことではないかと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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