icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸9巻10号

1974年10月発行

今月の主題 症例・研究特集

症例

多発性早期胃癌の1例

著者: 新海真行1 植田正昭1

所属機関: 1市立半田病院内科

ページ範囲:P.1255 - P.1263

文献概要

 多発性早期胃癌の症例は,最近増加しており,しかもかなり高い頻度で術前診断されるようになってきている.私どもは,胃角上部のⅡa型早期胃癌の発見が動機になり,他に病変の存在をX線的,内視鏡的に検討を加え,胃角上部のⅡaに連らなって前壁にⅡc,角部後壁にⅡc,前庭部後壁大彎寄りに比較的小さなⅡc,それよりやや口側の前庭部大彎にⅡcを発見診断できた多発性早期胃癌と,前庭部小彎前壁および胃体部後壁に異型上皮を合併する1例を経験したので,ここに若干の考察を加えて報告する.

症例

 患 者:大○和○ ♂ 69歳

 主 訴:1年半位前より胃部不快感および空腹時心窩部痛を時々感じる.

 既往歴:2年前に肺結核.

 入院時所見:胸部X線写真にて右肺尖部に結核性硬化性陰影を指摘できる.血圧は150~90(右)でほぼ正常.血沈1時間値2,血液一般検査にて,赤血球数478×104,血色素量15.4g/dl,Ht 48%,白血球数7,400,生化学,肝機能検査は異常を認めない.腎機能検査,心電図も異常を認めない.X線精密検査2回終了翌日の白血球数は8,300と異常を認めていない.検便潜血反応は陽性で,胃液検査は無酸.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら