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今月の主題 症例・研究特集 症例
いわゆるZollinger-Ellison症候群typeⅠ様の経過をたどった十二指腸潰瘍の1例
著者: 阿部道夫1 城所澄江1 青木誠1 佐多久一1
所属機関: 1平塚市民病院内科(慶応大学医学部内科)
ページ範囲:P.1265 - P.1269
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患 者:○沢○一 男性 38歳 自由業
主 訴:心窩部痛
家族歴:特記すべきものはない.
既往歴・現病歴:昭和42年9月,主訴,家族のすすめがあったが放置,自覚症は自然に消褪す.43年5月,主訴,体重減少,軟便,近医受診により十二指腸潰瘍の診断を受け治療にて症状寛解しそのまま再び放置す.45年4月,主訴,十二指腸潰瘍増悪を指摘され入院加療,当時膵外分泌能亢進,特に水,HCO-3conc.で著明であった.軽快一時退院.47年10月,再人院,この時はじめてImmunoassayにて異常なる高ガストリン血を証明した.胃液,酸過分泌,特に夜間基礎胃液分泌,BAO/MAO比からZE症候群を一応考慮した.膵シンチではspace occupying lesionsは不明,試験開腹をすすめるも嫌忌され軽快退院す.48年11月,突然激痛発作ありて来院,十二指腸潰瘍穿孔による急性腹膜炎の疑いにて入院,緊急手術す.
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