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文献詳細

雑誌文献

胃と腸9巻10号

1974年10月発行

文献概要

胃と腸ノート

直視下生検と粘膜下血腫

著者: 別宮啓之1 鈴木茂1 竹本忠良1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター

ページ範囲:P.1270 - P.1270

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 鉗子生検後に著明な粘膜下の血腫と思われるものが生じて,びっくりした経験を有する方は少なくないかもしれない.われわれもファイバースコープ生検法初期の時代に手術直前の患者に生検を施行し,開腹後著明な血腫を認めた2例を経験したことがある.その後,絶えてこのような偶発例には遭遇しなかったが,最近胃穹窿部の鉗子生検により著明な粘膜下血腫を生じた2例を経験したので改めて注意を喚起する意味でここに取り上げてみた.

 患者は48歳の家婦で,主訴は心窩部痛と,腹部膨満感,既往歴・家族歴にも特記すべきことなく,外来の胃レ線検査でも特に異常を指摘されていない.また,出血時間凝固時間,プロトロンビン時間,血小板数も異常なく,胃炎精査のため内視鏡検査を施行した.使用機種はFGS-BL,鉗子は食道生検用の孔開き鉗子を使用.胃粘膜所見は中等度萎縮性胃炎で急性炎症の所見はなく,萎縮境界は明瞭で閉鎖型Ⅲを呈していた.噴門側胃炎検討のためスコープを反転し,図1のような所見を得,同部(食道胃接合部より約2cm穹窿部側)より鉗子生検を施行した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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