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文献詳細

雑誌文献

胃と腸9巻10号

1974年10月発行

今月の主題 症例・研究特集

症例

多発性十二指腸小腸結核の1例

著者: 原口幸昭1 椎崎敏臣1 岡留健一郎1 古沢元之助2 清成秀康2

所属機関: 1福岡市早良病院胃腸科 2国立九州がんセンター

ページ範囲:P.1277 - P.1282

文献概要

 化学療法の進歩により腸結核は次第に減少する傾向にあるが,今日でもしばしばその症例が報告されている.腸結核の大部分は下部腸管とくに回盲部にみられるのに対し,上部腸管なかでも十二指腸に発生することは稀であるが,我々は最近主に上部腸管すなわち十二指腸,空腸および回腸の一部にわたり多発性の結核性潰瘍を認めた1例を経験したので報告する.

症例

 患 者:三〇マ○ 56歳 女

 主 訴:腹痛および便秘.

 家族歴:父が67歳で吐血死.

 既往歴:26歳のとき肺炎に罹患.50歳のとき虫垂切除術をうける.

 現病歴:約3年前から軽い腹痛があったが最近次第に強くなり,全身倦怠感,食欲不振を自覚するようになった.嘔吐はない.便通は1日1行であるが固い便が少しずつ出るのみで排便の満足感がない.胃レ線検査を行なったところ十二指腸下行脚に軽い狭窄を認めたので(図1a,b)更に精査を行なった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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