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文献詳細

雑誌文献

胃と腸9巻10号

1974年10月発行

文献概要

今月の主題 症例・研究特集 症例

集簇性“mucosal bridge”を示した潰瘍性大腸炎の1症例

著者: 牛尾恭輔1 笹川道三1 市川平三郎1 北条慶一2 佐野量造3 広田映五3

所属機関: 1国立がんセンター放射線診断部 2国立がんセンター外科 3国立がんセンター病理部

ページ範囲:P.1283 - P.1290

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 大腸に潰瘍を形成する疾患は数多くあり1)2)潰瘍性大腸炎との鑑別診断は困難な場合が多い.潰瘍性大腸炎の病型分類の1つに,病変の拡がりによる分類があり,定型的潰瘍性大腸炎(classical ulcerative colitis)と,いわゆる右側結腸炎(right-sided colitis),区域性結腸炎(segmental colitis)とに大別される.前者は直腸,S字状結腸に始まり上行性に進展していくものといわれており,後者は右側結腸に始まり,下行性に進展していくものといわれている.

 潰瘍性病変が右側結腸のみに認められる場合には,腸の炎症性疾患の中でもとくに潰瘍性大腸炎の1病型である右側結腸炎と,肉芽腫性大腸炎(granulomatous colitis),大腸Crohn病(Crohn's disease of the colon)との鑑別診断がしばしば問題となる.潰瘍性大腸炎のX線所見,内視鏡所見および生検,組織学的所見に関しての多くの報告はあるが,pathognomonicな所見はないとされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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