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文献詳細

雑誌文献

胃と腸9巻11号

1974年11月発行

文献概要

今月の主題 膵疾患の展望(1)―膵炎を中心に 主題

膵疾患の臨床生化学的検査

著者: 竹内正1 神津忠彦1 竹本忠良1 竹内利行2 杉村隆2

所属機関: 1東京女子医科大学消化器内科 2東京大学医科学研究所癌生物研究部

ページ範囲:P.1387 - P.1393

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 膵は70~90gていどの小さな臓器であるにかかわらず,1日に約1,500ml,またはそれ以上の膵液を分泌している(Bodanskyら).たんぱく量にすると,10~20gまたはそれ以上になると考えられ,大きなたんぱく合成能力をもっている,このたんぱくのほとんどが消化酵素である.

 Davenportの“Physiology of the Digestive Tract”によると,ネズミの膵組織は0.2gのたんぱく量であるが,1日に0.4gの膵酵素を合成し,分泌しているという.すなわち膵自体のもつたんぱくよりも多くのたんぱくを合成している.実験的にはラベルしたアミノ酸を注射すると,1分以内に膵外分泌細胞内のリボゾーム上にキモトリプシノーゲンとしてあらわれ,5分以内に膵酵素の前駆物質としてラベルされ,36分で分泌顆粒の中に酵素として存在し分泌状態となる.このことは臨床的には,75Se-メチオニンによる膵のシンチグラフィーのときによく観察される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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