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文献詳細

雑誌文献

胃と腸9巻11号

1974年11月発行

今月の主題 膵疾患の展望(1)―膵炎を中心に

主題

膵炎の診断と治療―急性・慢性を含めて

著者: 戸田安士1 早川哲夫1 野田愛司1 中島澄夫2 中野哲3

所属機関: 1名古屋大学医学部第2内科 2名古屋保健衛生大学医学部内科 3大垣市民病院第2内科

ページ範囲:P.1395 - P.1404

文献概要

 与えられた課題が非常に広範にわたるので,急性あるいは慢性の膵炎の診断と治療について概括的に述べ,さらに,現在のわれわれが当面している問題点について触れてみたい.

急性膵炎について

 われわれがかつて急性膵炎の治療に関する考察を試みたさい,本症の治療を考える上にはいくつかの基本的な問題を踏えねばならぬことを指摘した1).その中の1つは,本症のように急激に変化する病状に対しては治療を一括して論ずるのでなく,病期に対応してこれを考慮することが望ましいという点であった.これを診断の立場から眺めると,急速に変遷する病態を正確に把握して,治療の指針をたてるのに役立つ診断法の確立がつよく望まれる.いいかえると,必ずしも急性膵炎の診断が確定してから治療が始まるのでなく,患者に接触すると同時に治療が開始され,両者は併行して進められることが少くない.この間の消息を表1で模式的に示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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