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文献詳細

雑誌文献

胃と腸9巻11号

1974年11月発行

研究

出血性びらんの内視鏡的ならびに文献的考察

著者: 青野義一1 竹添和英2 城島嘉昭2 大原毅2 三芳端2 田中大平2 鵜川四郎3 山口重雄3 黒坂判造4 相馬智5 城所仂6

所属機関: 1宮城県小牛田町立中埣診療所 2東京大学医学部附属病院分院外科 3西湘消化器病研究会 4東京都板橋区くろさかクリニック 5杏林大学外科 6順天堂大学消化器外科

ページ範囲:P.1455 - P.1460

文献概要

 従来,出血性びらんという用語は,びらんまたは,びらん性胃炎の用語と混用されてきた.Table 1に示すように,既に1897年,Lainé1)によるÉrosions Hémorrhagiquesが初めでその後著者により,その命名はまちまちで統一されておらず,ほとんどが肉眼所見に基づくもので,現在用いられているものは,この内わずか3~4に過ぎない.この混乱に対しKatz2)(1968年)がAcute erosive gastritis,Hemorrhagic gastritis,Acute gastric ulcerをAcute gastric mucosal lesions(以下AGMLと略)と総称することを提唱したが,本邦でも,川井ら3)の急性胃病変の呼称がある.

 出血性びらんの内視鏡的観察については,1939年Schindler4)がこれを詳細に記述している.即ち出血性びらんは,新しいかつ重要な疾患であることを強調し,Mucosal Hemorrhage,Hemorrhagic erosion,およびPigment spotに分類しその症例を述べているが,この業績が35年前に発表されたこと,およびその卓越した内容は,今日なお我々に感動大きなものを与える,同様に,Fodden5)も胃・十二指腸潰瘍に合併する出血性びらんについて述べている.このほか,AGMLとアルコール,種々な薬剤,または中枢神経系疾患との関連を論じた報告は,まさに枚挙にいとまがない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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