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文献詳細

雑誌文献

胃と腸9巻12号

1974年12月発行

今月の主題 膵疾患の展望(2)―膵炎を中心に

主題

膵癌のX線診断―upper GI,特に低緊張性十二指腸造影

著者: 中沢三郎1 内藤靖夫1 神谷直三1 山瀬裕彦1

所属機関: 1名古屋大学医学部第2内科

ページ範囲:P.1519 - P.1531

文献概要

 膵癌のX線診断は1931年Buttler1)が,十二指腸係蹄の開大を指摘して以来,上部消化管X線撮影(upper GI),特に十二指腸造影から診断することが中心であった.最近になって,低緊張性十二指腸造影(HDG)2)~10)各種胆道造影法,なかでも経皮経肝胆道造影法(PTC),逆行性膵胆管造影法(EPCG),血管造影法,シンチグラフィーその他の検査法の進歩により,膵癌の診断は飛躍的に向上したといえる,しかし,各種の検査法にもおのおの長所・短所があり,まだあらゆる条件を満たす検査法はない.

 そこでわれわれは,総合診断が必要であるとの立場から,各種検査法の組み合わせにより診断能を向上させてきた.しかしながら,対象患者に全ての検査をすることは実際上不可能であり,日常診療においては,多数の患者に容易に実施でき,しかもかなりの精度をもって膵癌発見の糸口となりうる検査法がまず必要となる.これらの条件を満たすものの1つに,上部消化管X線撮影がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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