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文献概要
今月の主題 膵疾患の展望(2)―膵炎を中心に 主題
膵癌の内視鏡診断
著者: 高木国夫1 竹腰隆男2
所属機関: 1癌研究会付属病院外科 2癌研究会付属病院外科
ページ範囲:P.1533 - P.1541
文献購入ページに移動膵臓を直接的に検査する内視鏡的膵管造影については,1968年にわが国で十二指腸ファイバースコープが開発されて,内視鏡的膵管造影が1968年McCune1)らにより報告されたが,1969年,大井2)および筆者ら3)が臨床的に応用し,いらい世界的に本法が膵疾患の診断に用いられてきている.膵疾患,特に膵癌に対しても十二指腸ファイバースコープによる十二指腸内面の観察,生検,乳頭口への挿管による膵・胆管造影,さらに経乳頭的膵液細胞診などが検討されて,膵癌の診断には欠くことができないというよりも,すでに内視鏡による方法が診断の主流をなすまでに有用となってきた.なかんずく内視鏡的膵管造影(Endoscopic Pancreatocholangiography,以下EPCGと略)は膵臓の直接的検査法であり,EPGの成功率も諸家の報告では84%4),91%5)と高く,われわれのEPCG成功率は表1のごとくで乳頭観察例の79%であり,近年は90%以上の成功率をおさめている.
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