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文献詳細

雑誌文献

胃と腸9巻12号

1974年12月発行

文献概要

今月の主題 膵疾患の展望(2)―膵炎を中心に 主題

膵癌の内視鏡診断

著者: 高木国夫1 竹腰隆男2

所属機関: 1癌研究会付属病院外科 2癌研究会付属病院外科

ページ範囲:P.1533 - P.1541

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 体の深部にあって従来から診断が困難であった膵臓に対して,各種の検査法が開発されてきている.生化学的およびX線検査,血管造影,RI検査などがあって,膵臓の疾患,特に膵癌に対する診断はなかなか困難であった.一般に発見された膵癌は進行しているが,膵癌といわれるものにも,癌の占居部位により診断の難易性がある.膵癌は膵頭部,体部,尾部に分類されているが,膵頭部の癌では,十二指腸の変化および総胆管閉塞による黄疸の出現により,診断が比較的容易であるが,体尾部癌では黄疸の出現もなく,十二指腸への変化も少なく,非常に診断が困難であった.

 膵臓を直接的に検査する内視鏡的膵管造影については,1968年にわが国で十二指腸ファイバースコープが開発されて,内視鏡的膵管造影が1968年McCune1)らにより報告されたが,1969年,大井2)および筆者ら3)が臨床的に応用し,いらい世界的に本法が膵疾患の診断に用いられてきている.膵疾患,特に膵癌に対しても十二指腸ファイバースコープによる十二指腸内面の観察,生検,乳頭口への挿管による膵・胆管造影,さらに経乳頭的膵液細胞診などが検討されて,膵癌の診断には欠くことができないというよりも,すでに内視鏡による方法が診断の主流をなすまでに有用となってきた.なかんずく内視鏡的膵管造影(Endoscopic Pancreatocholangiography,以下EPCGと略)は膵臓の直接的検査法であり,EPGの成功率も諸家の報告では84%4),91%5)と高く,われわれのEPCG成功率は表1のごとくで乳頭観察例の79%であり,近年は90%以上の成功率をおさめている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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