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文献詳細

雑誌文献

胃と腸9巻12号

1974年12月発行

今月の主題 膵疾患の展望(2)―膵炎を中心に

症例

選択的動脈造影で診断し根治的切除が可能であった膵体部癌の1例

著者: 植松義和1 奈良圭司1 北島政樹1 伊藤三千郎1 米川甫1 竹下利夫1 中島義麿2

所属機関: 1足利赤十字病院外科 2桐生市まろ医院

ページ範囲:P.1571 - P.1574

文献概要

 膵癌の手術成績は消化器癌のなかでもきわめて悪く,早期発見への努力が最も急がれる悪性腫瘍の1つである.われわれは,腰痛を主訴とした上腹部腫瘤の症例に対して,選択的動脈造影で非常に小さな膵体部癌を診断し,根治的手術を施行し得たので報告する.

症例

 患 者:T. T. 64歳 主婦

 家族歴および既往歴:特記すべきことなし.

 現病歴:約3年前から2~3カ月に1回ぐらいの頻度で左腰痛を訴えていた,腰痛は坐位で増強し,横臥すると軽減した.とう痛は食事と関係なく,食欲不振,腹部症状,体重減少,黄疸などはなかった.昭和48年10月,旅行後に腰痛が持続し,某近医を受診し,腹部腫瘤をはじめて指摘された.筆者の1人,中島が消化管X線検査を施行し,胃X線検査で胃体部の軽い圧迫像を認め膵体部癌を疑い,同年11月8日当科へ入院した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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