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今月の主題 意外な進展を示す胃癌 意外な伸展を示す胃癌症例
意外な進展を示した胃のdiffuse carcinomaの1例
著者: 加賀谷常英1 村田栄治1 上田靖彦1 角田実1 狩野敦2 佐藤邦夫2
所属機関: 1岩手県立中央病院消化器科 2岩手医科大学第1内科
ページ範囲:P.504 - P.508
文献購入ページに移動患 者:M. N. 52歳 女 家婦
主 訴:心窩部不快感
既往歴及び家族歴:特記すべきものなし.
現病歴:昭和45年5月中旬,心窩部不快感,下血に気づき,某病院を訪れ,胃X線検査,胃内視鏡検査の結果特に大きな変化がなく,出血性胃炎を疑われ,40日間入院し,症状は改善した.その後,外来治療を続けていたが,46年8月中旬,再度下血に気づき入院,この時も同病院で胃X線検査,胃内視鏡検査を受けたが,前回同様特に潰瘍,出血部位ははっきりせず,出血性胃炎と考えられた.10月になり,また下血をみたため,他某病院に3度入院した.自覚症状は,前回同様,心窩部の不快感があるのみであった.47年7月に胃X線検査を受けている.この頃より食思不振,心窩部不快感が強くなり,精査の目的で当科に紹介された.
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