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文献詳細

雑誌文献

胃と腸9巻5号

1974年05月発行

文献概要

今月の主題 症例・研究特集 症例

Borrmann Ⅱ型進行癌を思わせた胃穹窿部のReactive lymphoreticular hyperplasiaと癌の合併例

著者: 尼川紘史1 森藤清輝1 伊藤一郎1 島筒志郎1 松村豪晁1 横山吉宏1 林雄三2

所属機関: 1広島大学医学部第1外科 2広島大学医学部第2病理学教室

ページ範囲:P.587 - P.591

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 胃のReactive lymphoreticular hyperplasia(以下RLHと略す)は中村らにより臨床的に幽門前庭部にみられるび漫扁平型と,噴門部にみられる限局肥厚型の2つに分けられ,特に早期胃癌やMalignant lymphomaなどの悪性腫瘍との鑑別が問題とされている1)2)3)

 以前筆者らは幽門部のび漫扁平型を経験し,経時的に内視鏡で追求したものを本誌に報告しているが4),最近胃穹窿部癌に合併したいわゆる限局肥厚型とみなされる1例を経験した.胃癌とRLHとの合併例は幽門前庭部における数例が報告されているが3)4)5)6)7)8),噴門部における合併例の報告はない.RLHについては,その組織発生および病変の拡がり等に関して必ずしも明確な枠付けがなされておらず,特に癌との関係では一般に癌に伴ってみられる反応性リンパ球浸潤といわゆるRLHをいかにして区別するかという問題がある.この点を充分に老慮しつつ今回経験した症例を報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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