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文献詳細

雑誌文献

胃と腸9巻6号

1974年06月発行

文献概要

今月の主題 胃を除く上腹部腫瘤の診断 主題

上腹部腫瘤診断―胃を除く触診可能例の分析

著者: 岡部治弥1 為近義夫1 渡辺恵幸1 石井勝己2 草野正一2

所属機関: 1北里大学医学部内科 2北里大学医学部放射線科

ページ範囲:P.705 - P.715

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 ある種の腹部愁訴,特に上腹部のそれをもって患者が来院した場合,まず胃のX線検査は欠くことのできない検査法であることはいまさら言うまでもない.何らかの局在病変が胃に存在する場合は,少くとも本邦においては,胃X線,内視鏡,さらに,必要に応じて直視下生検と,そのsystem化がほぼ完成し,かつきわめて進歩した診断技術により,その病変の発見および性状診断が多くの専門家により,広く日常の診療として行なわれているのが現状である.直径10mm前後の悪性病変でさえ,そう稀でなく発見され,かつ正確な直視下生検によって術前の組織診断が可能な時代となっている.

 しかし一方,悪性腫瘍が胃以外の臓器から発生した場合,ほとんどその早期発見は不可能なのが又一面の現状であり,根治手術可能な時期に発見されてさらに術前の性状診断が確実になされる症例はまことに寥々たるものである.肝,胆道をはじめ膵臓,さらに大腸など近年必らずしも少なくない悪性腫瘍はそのほとんどが既に触診可能,ないし根治不能となって医師の診断を請うものが大多数を占めるのが現状であり,いかにしてこれら臓器悪性腫瘍の早期発見を行なうべきかが今後の大きな問題である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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