文献詳細
今月の主題 胃を除く上腹部腫瘤の診断
主題
文献概要
上腹部腫瘤の放射線学的診断法には,従来から腹部単純撮影,上部消化管検査,胆囊造影,後腹膜気体造影,気腹造影,腎孟造影などが副作用が少なく,実施手技が容易な検査法として用いられてきた.最近になって,これらの検査法に加えて放射性同位元素を用いたスキャンニング,超音波診断法,経皮胆管造影法,膵管造影法,血管造影法が開発され臨床に広く応用されてきている.
血管造影法の腹部腫瘤診断における特徴は,病巣内の血管のパターンから腫瘤内部の状態を知り得ることである31)34).従来の放射線学的検査法は,腫瘤周囲の状態,周囲臓器との関係から診断に至る,いわば間接的診断法であるが,血管造影法は腫瘤の内部の状態まで観察できる直接的診断法であり,質的診断,鑑別診断が可能という長所を有している.本稿ではわれわれが実施した約3000例の腹部血管造影法の経験をもとにして,上腹部腫瘍に対する意義,読影法などについて解説する.
血管造影法の腹部腫瘤診断における特徴は,病巣内の血管のパターンから腫瘤内部の状態を知り得ることである31)34).従来の放射線学的検査法は,腫瘤周囲の状態,周囲臓器との関係から診断に至る,いわば間接的診断法であるが,血管造影法は腫瘤の内部の状態まで観察できる直接的診断法であり,質的診断,鑑別診断が可能という長所を有している.本稿ではわれわれが実施した約3000例の腹部血管造影法の経験をもとにして,上腹部腫瘍に対する意義,読影法などについて解説する.
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