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文献詳細

雑誌文献

胃と腸9巻7号

1974年07月発行

文献概要

胃と腸ノート

胃液検査―酸度測定について

著者: 伊藤健1 春日井達造1

所属機関: 1愛知県がんセンター第1内科

ページ範囲:P.882 - P.882

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 胃分泌能を知ることは胃疾患の病態生理を解明する上に大切である.臨床的に胃液酸度を測定するにはKatsch-Kalk法やHistamine法などがあったが,Katsch-Kalk法は正確に酸分泌能を反映しない欠点があり,一方Histamine法はHistamineが循環器系をはじめ,その他に対する副作用があり安全性に欠けるためRoutineの胃液検査の刺激剤としては問題が多く適当でなかった.しかし1964年GregoryとTracyにより胃酸分泌刺激HormoneであるGastrinの構造が決定され,さらに,その合成が成功するに及び,胃分泌機能に関する研究は,いっそう盛んとなった.GastrinはHistamineに比し,より生理的な物質であり,副作用が殆んど無いので胃液分泌刺激剤として優れており,わが国でも日本消化器病学会胃液測定法検討委員会で種々検討の結果,合成TetraまたはPenta Gastrinが胃分泌刺激剤として用いられることとなった.以下Gastrin法による胃液酸度測定法についてのべる.

 Ⅰ.胃液検査法:

 ⅰ)胃液採取は左側臥位とする.

 ⅱ)採液は10分ごとに行ない(持続吸引が望ましいが分割採取でもよい),分泌刺激剤投与前30~60分間の分泌を基礎分泌とする.

 ⅲ)次に分泌刺激剤としてTetragastrin 4γ/kgまたはPentagastrin 6γ/kgを筋注する.

 ⅳ)Gastrin刺激後は60~120分にわたり10分ごとに分割採取し胃液分泌の動態を観察する.

 ⅴ)採取された胃液のVolume,pH,Acid Concentration(mEq/hr.)を測定し,殊に刺剤剤投与後はHour Acid Output(mEq/hr.)で胃酸分泌能を表現する.

 vi)胃液酸度の測定にはpH meterまたはpH Statを用い,1/10~1/50規定NaOH溶液によりpH7.0まで中和する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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